前書き
「本当に夢なんて叶うのだろうか」
「このまま進んでいいのかな」
そんな不安や迷いを抱えながらも、歩みを止めずにいるあなたへ。
歴史に名を刻んだ偉人たちも、同じように悩み、立ち止まり、それでも夢を追い続けた人たちでした。
この記事では、「夢を叶える名言」をテーマに、夢を現実に変えた7人の言葉を厳選してご紹介します。
一歩踏み出す勇気が欲しいとき、心に灯りをともしてくれるはずです。
さあ、あなたの夢をもう一度、信じる準備をしましょう。
偉人たちの夢の名言7選

「未来は、自分の夢の美しさを信じる人のものです。」
― エレノア・ルーズベルト(アメリカ大統領夫人・人権活動家)
エレノア・ルーズベルトは、アメリカ第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの妻でありながら、時代に先駆けて社会と向き合った“行動するファーストレディ”でした。
当時、女性が政治や社会問題に関わることは歓迎されませんでしたが、彼女は労働者の権利、黒人差別、女性の地位向上などの課題に取り組みました。たとえば、黒人歌手マリアン・アンダーソンが演奏会場を人種差別で拒否された際には、即座に抗議の辞任を行い、リンカーン記念堂での野外公演を後押し。この行動は、差別に沈黙しないという強いメッセージを社会に示しました。
彼女が信じた“夢の美しさ”とは、誰もが声を上げられる社会、他人の痛みに無関心でいられない未来、希望をもって生きられる世界という、具体的で現実に根ざした理想でした。
この名言が生まれたのは、彼女が国連人権委員会の初代議長として「世界人権宣言」の起草に深く関わった時期とも重なります。
「たとえ非現実的だと嘲笑されても、自分の夢を信じ続けることが、未来をつくる一歩になる」――それが、彼女の生き方そのものでした。
原文:―(出典不詳)
出典:不明
発表年:不明
備考:この言葉はエレノア・ルーズベルトの名言として広く知られていますが、実際の出典は明確ではありません。

「夢を追い求める勇気があれば、すべての夢は叶う。」
― ウォルト・ディズニー(アニメーター・実業家)
この言葉は、まるで魔法のように響くかもしれません。けれど、ウォルト・ディズニーの人生には、魔法どころか、破産・裏切り・失敗の連続がありました。
1920年代、最初のアニメスタジオ「ラフ・オグラム・スタジオ」は資金難で倒産。ようやく成功した「オズワルド・ラッキー・ラビット」も、契約の不備を突かれ、キャラクターの権利ごと奪われてしまいます。
それでも彼は諦めませんでした。列車の中でスケッチした一匹のネズミ、それが後のミッキーマウスです。
「夢が叶う」と言い切れるのは、数々の失敗を乗り越え、それでもなお信じ抜いたから。
この言葉は“成功者の綺麗事”ではなく、“敗者からの再起”が生んだ、確かな実感なのです。
原文:―(出典不詳)
出典:この言葉はウォルト・ディズニー本人の発言ではなく、ディズニーのイマジニアであるトム・フィッツジェラルドが、EPCOTのアトラクション「Horizons」のために1983年に作成したものです。
発表年:1983年(「Horizons」アトラクションのオープン年)
備考:このフレーズはウォルト・ディズニーの理念を反映しているとして、彼の言葉として広まりましたが、実際には彼の死後に作られたものです。

「人生の目的は、自分の才能を見つけること。人生の意味は、それを他人のために使うこと。」
― パブロ・ピカソ(画家・芸術家)
ピカソは、単なる画家ではありませんでした。彼は、20世紀美術の形を根本から変えた存在です。
彼のキャリアの初期、社会は伝統的な写実主義を重んじていました。そんな中で彼は、「キュビズム」という全く新しいスタイルを創造し、激しい批判にさらされます。
しかし、彼の才能はそこにとどまりません。スペイン内戦の際に描いた『ゲルニカ』では、戦争の非人道性を訴えるなど、芸術を通じて社会的なメッセージを発信し続けました。
つまり、ピカソにとって芸術は「自己表現」だけでなく、「他者のための手段」でもあったのです。
この言葉は、才能を“見つけた”だけでは人生は完結しないことを教えてくれます。「それをどう使うか」が、人間としての意義につながるのです。
原文:―(出典不詳)
出典:この言葉はピカソのものとされることがありますが、実際には精神科医デヴィッド・ヴィスコットが1993年の著書『Finding Your Strength in Difficult Times』で述べたものです。
発表年:1993年
備考:ピカソの名言として広まっていますが、実際にはヴィスコットの言葉です。

「あなたの時間は限られている。他人の人生を生きるな。」
― スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)
2005年、スタンフォード大学の卒業式スピーチで語られたこの言葉は、スティーブ・ジョブズの人生の縮図とも言えます。
大学を中退し、ガレージでAppleを創業。その後、わずか10年で解雇され、創業者なのに自分の会社から追い出されるという挫折を味わいます。
しかし彼はNeXTやPixarを立ち上げ、再びAppleに戻り、iMacやiPhoneで世界を変えるわけですが――その背景には、“他人の評価”に振り回されない生き方がありました。
癌の宣告を受け、自らの死を意識したからこそ、彼は「限られた時間」を重く捉えたのです。
この言葉は、「夢を叶える」以前に、“自分の夢と他人の夢を、絶対に取り違えてはいけない”という警鐘なのです。
原文:“Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.”
出典:2005年6月12日、スタンフォード大学の卒業式でのスティーブ・ジョブズのスピーチ
発表年:2005年

「行動こそが、夢を現実に変える唯一の手段だ。」
― パウロ・コエーリョ(作家)
『アルケミスト』の作者として知られるパウロ・コエーリョは、夢追い人を描く物語で世界中に読者を持つ作家です。
けれど彼自身、若い頃は作家になる夢を両親に否定され、精神病院に3度も入れられた過去があります。
それでも彼は、作詞家、ジャーナリスト、そしてバックパッカーとして世界を旅しながら、自分自身を問い続けました。
この名言は、夢を描くだけではなく、「動くこと」の大切さを語っています。
どんなに壮大な夢も、最初の一歩を踏み出さなければ、ただの空想にすぎない――。
彼の人生そのものが、その証明なのです。
原文:―(要約)
出典:『アルケミスト』第1章
発表年:1988年(原著ポルトガル語版)
備考:この言葉は『アルケミスト』の中で主人公サンチャゴが語るもので、夢を追い求めることの重要性を示しています。

「未来は予測できないが、未来は発明できる。」
― デニス・ガボール(物理学者・ホログラフィーの発明者)
ガボールは、ハンガリー生まれの物理学者で、戦争を逃れてイギリスに亡命した科学者です。
彼は「ホログラフィー」という立体映像の原理を発明し、のちにノーベル物理学賞を受賞しました。
面白いのは、このホログラフィーの原理は、当時の技術では実現不可能だったこと。
つまり、彼は「できるかどうか」ではなく、「必要になる未来」を先に構想したのです。
彼の人生自体が、「未来は予測ではなく、創造の対象だ」という強い信念に貫かれています。
科学者としての仕事も、難民としての経験も、それを証明するものでした。
原文:“The future cannot be predicted, but futures can be invented.”
出典:デニス・ガボール著『Inventing the Future』
発表年:1963年
備考:この書籍は、技術革新と社会の未来に関するガボールの洞察をまとめたものであり、彼の最も有名な著作の一つです。

「夢の代わりに後悔が心を占めたとき、人は本当に年を取るのだ。」
― ジョン・バリモア(俳優・舞台芸術家・映画スター)
20世紀初頭のアメリカで活躍したバリモアは、舞台・映画で一世を風靡した名優です。
しかし彼は、キャリアの晩年にアルコール依存やスキャンダルに苦しみ、健康も仕事も失っていきました。
そんな人生の終盤、彼がこの言葉を残したときの背景には、数々の「やれなかったこと」への痛烈な後悔があったとされています。
彼の言葉は、年齢や時間の問題ではなく、「挑戦せずに終わること」こそが人を老いさせるという本質を突いています。
夢を諦めた瞬間、人はただ歳を取るだけの存在になる――彼はそれを、自らの生き様と失敗を通して知ったのです。
原文:“A man is not old until regrets take the place of dreams.”
出典:この言葉は、俳優ジョン・バリモアが述べたもので、伝記作家ジーン・ファウラーが1944年に出版したバリモアの伝記『Good Night, Sweet Prince』で紹介されています。
発表年:1944年(伝記の出版年)
備考:バリモアの生前の発言を伝記で紹介したものです。
まとめ
夢を叶える道のりは、決してまっすぐではありません。
今回ご紹介した「夢を叶える名言」は、数々の困難を乗り越え、それでも自分の夢を諦めなかった偉人たちからの、熱いメッセージです。
夢を信じること。行動を起こすこと。たとえ道半ばで傷ついても、また立ち上がること。
それらすべてが、あなたの未来を少しずつ形作っていきます。
どうか、あなた自身の夢の美しさを、何よりもあなた自身が信じてあげてください。
夢を信じ続ける人にこそ、未来は必ず微笑みます。